山の中での生活 vol.1 〜 住んでみてわかったこと 〜
「 山の中での生活を紹介してください。」
こうした可愛いリクエストをちょくちょく頂きます。
山の中に越して、二ヶ月半程経ち、1cm程慣れてきたかなぁ・・・
と思えます。
まだまだ いろいろとあるでしょうけれど、現時点でのご紹介です。
●陽当たり
陽当たりは、山の中で生活するにはとても重要です。
木々があり、湿気がありますから、体調や精神的にも影響大でしょう。
周囲の樹木は、落葉樹かどうか、
屋根の上まで枝がかかっているかどうか、
山のどの斜面に建っているかどうか。
こうしたことは、出来る限り、住む前に頭の隅っこにあれば
良いのですが、初めての私達は想像しえませんでした。(苦笑)
うちは、木陰が多いので、メリット?としては、
夏は涼しく、草刈りの必要も、それほどありません。
5月中旬頃、晴れた日に そよそよと窓から入ってくる”そよ風”は、
経験したことのない心地良さでした。
あぁ、これがそよ風か!と思えました。
本当に気持ちの良いものでした。
陽当たりの良い場所は、4月以降、ものすごく伸びるのが速いので
あっという間に 草ぼうぼうです。
陽当たりの良いところは、花が咲き易いです。
うちの場合、夏よりも冬の方が陽が射します。
周囲は落葉する木々がほとんどなので、日光が届き易いからです。
●お天気・気温
山の天気は変わり易い_
本当にそうでした。
天気予報は アテになりませんので、動物的感覚を鋭く?
経験を積み重ねていくしかありません。
平地から山にあがってきますと、日によって違いますが、
気温差は5度弱低くなります。
●お洗濯物干しの準備
山の中で暮らすことになってからは毎朝掃除で始まります。(笑)
花粉が飛ぶ季節は、本当に大量の花粉!
掃除する格好も、帽子、マスク、花粉めがね、首に巻くもの、など
花粉症の私は留意しています。
毎朝の掃除開始時間は、
スズメ蜂やアブやブヨのように ” 刺すぶんぶん系 ” の活動時間前。
彼女たちの活動時間と合ってしまうと・・・大変。
手すりに溜まっている花粉などを埃とりで払い、
物干竿などをタオルなどで拭き、
すみずみまで掃きます。
拭いた後のタオルを見ますと、黄土色と黄色の花粉がべったりでした。
これも慣れていくことと思います。
●お洗濯物の乾き具合
季節的隣人の方々がおっしゃる通り、” 洗濯物が乾き難い ” です。
木陰が多いところは、やっぱり湿気も多いです。
草や葉が伸びる時季は、湿気も増えてきます。
濃霧、花粉、湿気・・・
洗濯物を外で干すことは、街中とは違うんだと実感中です。
家の中に、乾燥機、浴室乾燥などがあれば、解決しますが
私は外で干したいので、知恵+慣れが必要ですね。(笑)
生活の知恵で乗り越えたいと思います。
●花粉
びっくりする量です。
花粉の飛び始めの頃は、毎朝、ベランダやそこいらには
薄黄色の微粒な粉だらけ。
花粉は、非常に微粒ですから、家の中にまで当たり前のように
入っていました。(指で絵が描ける程です。)
朝、掃除。
気が向いたら昼も、掃除。
夜寝る前も、掃除。
綺麗好きではなく、自分は花粉症なので、仕方ありません。
とっかかりは面倒くさくても、
慣れれば、習慣になっていきますもんね。(笑)
●生活排水
山の中は、平地とは違い、下水設備はほぼないと思います。
軽井沢のようなところは、下水設備は整っていると思われます。
下水設備の有無によって、生活する楽さが決まってくる!
といっても過言ではありません。(苦笑)
わが家が住む山の中は、下水設備が整っていないので
使う洗剤関係・油の処理に頭使って手間をかけねばなりません。
” なぜ、その必要があるのか?”
というのを自分で納得しておかないと不平不満になるので
図書館で子ども向けのその手の本を借り、
へぇ〜、ほぉ〜と言いながら読破しました。
なるほどと納得したので、手間を惜しまず続けています。
●トイレ
下水設備が整っていないので、簡易水洗がほとんどだと思います。
簡易水洗は、昔の”どっぽん”を見た目水洗風にしたものです。
定住となると、住む人数にもよりますが、毎月に近いぐらい、
汲取業者さんにお願いした方が良いです。
(業者さんに頼む見極めは、、、この目で蓋をあけて判断です)
浄化槽の山荘もあるようですが、
定住に近い頻度で利用すれば、浄化槽の意味があるそうです。
引越した直後は、正直、水洗トイレが恋しかったです。
最近はようやく、慣れてきたかなぁ・・・という感じ。(笑)
それにしても、
下水設備というのは、本当に素晴しいですね。
まさに、縁の下の力持ちです。
●山小屋
山小屋やログハウスに憧れる方々は多いようです。
もし、これから建築してもらおうと思われましたら、
業者さん任せになさらない方が良いと思います。
山の中で、山小屋やログハウスに実際に住んでおられるご友人や
お知合いの方に聴かれてから業者さんとの打合せをされることを
お勧めします。
建てる専門家であっても、現実に定住しないと分からないことが
たくさんあるのです。
●寒さ対策 (薪ストーブなど)
寒冷地には、薪ストーブの有るお家が多いかもしれません。
現実は、メンテナンスと薪確保が大変のようです。
薪ストーブ設置に7桁はかかり、
薪代にワンシーズン10万円ぐらい必要なんだそうです。
( 山を所有していれば薪代は不要ですね。)
そのような資力はないわが家ですから、当分の間、
灯油ストーブ3台フル稼働で寒さを乗り切らねばなりません。
今年の晩秋に向けて、8月下旬ぐらいからは寒さ対策を
考えねばです。
今、思いつくのはこのようなところです。
不便を楽しもう!と豪語したものの、日常生活を送っていく中で
慣れていくには時間がどうしてもかかりました。
不便は不便ですが、それに代え難いことがたくさんあります。
例えば・・・
早朝、ざざっという音がして、ベランダにそっと出てみますと、
数十メートル離れたところに、シカが2頭、山から降りていく音でした。
その力強く、優美な姿に、息をのみ、みとれました。
本当に美しかった。
自然の中で生きている動物たちは、
ただ、生きることに必至。
彼らのエリアに、こうして人間がふみこみ、
家庭菜園や作物を食べるからといって、
勝手に「害獣」と呼ぶ。
そして、度重なると、猟銃会の方々の手に委ねる。
人間が増え過ぎだからって、猟銃会の人達がそうしないだろう?
とムカッとします。
人間はよくて、他の生き物はダメ?
おかしいじゃん って思います。
動物たちの命を奪うことで、人間の生活を快適にするのではなく、
自然と共存するというのは、どういうことなのか_
をきちんと全方向から考えねばなりません。
自然というのは、住宅地に住んでいては想像しえないことが
普通に起きるから。
不都合だから、樹を伐採して、陽当たりをよくすれば良いんだ!_
と短絡的に考えて伐採してしまうと、
結局は、人間が、また、生態系を壊してしまうのです。
知識を知識で留めずに、
知識を知恵にしていくように 頭と心を使うのが
私達人間の道だと思うのです。
対面ご希望の方々には、様々な面でご不憫をおかけしますが
山の中の美しさというのは、言葉にはなりません。
ハッと息をのむ美しさがあります。
さまざまな小鳥達のさえずり、
鳴き方ひとつにも 意味があります。
夜に活動する生き物たちには、
彼らにとって生きていくために必要な活動時間。
すべてには意味があるのだとわかり、
夜中に聴こえるガサっという音やドンっという音、
闇に光る目に必要以上に脅えることもなくなりました。
山の中で暮らすのは、アウトドアの本を出版されている方でさえ、
何年も持たないようです。
(やっぱり、不便なんでしょうね。(笑))
私は虫が苦手で怖いですが、それは彼らの生き方を
知らないから。
図書館で本を借り、観察したりして、いろいろと知っていくと
「 一生懸命、生きてんだなぁ・・・」
今までとは違う視点で彼らの命を思えます。
不便だからって、
不便を便利に変えるつもりは、ありません。
山の中というのは、そういうものなのですよね。
やっと、そのことに気づきました。
縁あってこの山の中に越してくることになったのですから、
苦手を克服するというよりは、
周囲に命が溢れていることをきちんと私が心で理解すること。
人間が生きていく以上、汚してしまうけれど、
汚れを少しでも少なくしようと常日頃から心掛けよう_
やっと そう思えるようになりました。(大笑)
また、続編を書きます。
おつきあいください。(笑)
= おまけ =
笹なのか、竹なのか・・・。
家族は笹と言いますが、どうなんだろう。
調べてみると、葉脈が違うようです。
笹は縦だけの一方向、竹は縦横にあるんですって。
今度、見てみよう!
私「なんだろう?この泡」
家「蛙の種類だよ。蛙。」
私「水際で産卵するとばかり思っていたよ。」
家「蛙だよ。」
物知りな家族が言うことだからな〜・・・
でもな〜・・・
ということで調べてみると!
蛙じゃなくて、虫だった!(ほれ、みてみぃ。笑)
ヨフシハバチの抱卵で、それは泡のようだそうです。
物知りの人の言うことが全て正しいってわけじゃないんだねぇ。(苦笑)
アガサ